Fukushima Kiko 福島機工株式会社

《新型コロナウイルス感染対策を考える》福島機工×福島大学 共同研究
「窓の開け方を変えた冬季の講義室のCO2濃度や温湿度の状況」

新型コロナウイルス/COVID-19

「コロナ対策」としての換気とは?

コロナ対策に必要な換気量=CO2濃度を1,000ppm以下に保つということ

「換気の悪い密閉空間」は、新型コロナウイルス感染症対策として避けるべき3密のひとつです。
そのためコロナ対策では換気が推奨されています。
厚生労働省は『一人当たりの必要換気量は毎時30m3』であるとしており、これは室内の二酸化炭素濃度(CO2濃度)を1,000ppm以下に保つのに必要な換気量であるとされています。※

なぜCO2濃度(二酸化炭素濃度)なのか?

人は呼吸をすると二酸化炭素を排出するため、「換気の悪い密閉空間」では二酸化炭素濃度が高くなります。そのため「換気の悪い密閉空間」を改善する指標の一つとして、二酸化炭素濃度を利用することが注目されているのです。『建築物衛生法』において、CO2の室内濃度基準は1,000ppmとなっています。『建築物衛生法』とは、多くの人が使用する、決まった大きさ以上の建物の維持管理に関して、環境衛生上必要なことを定めた法律です。
厚生労働省も、コロナ対策で必要換気量を満たしているかを確認する方法として、室内の二酸化炭素濃度が1,000ppmを超えていないかを確認することも有効であるとしています。※

※冬場における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法 (令和2年11月27日 厚生労働省)

[実験]窓の開け方で変化するCO2濃度を知る

福島大学 講義室における「CO2センサ」を使った実験と測定

換気の一般的な方法は「窓を開けること」です。しかしながら、「窓を開けること」によって室内のCO2濃度はどの程度変わるのでしょうか。福島機工では、国立大学法人福島大学と共同研究を行い、同大学で実際に使用している講義室を使って「窓の開け方の違いによるCO2濃度と温湿度の状況」を実験・測定しました。

※本研究は、福島市産学連携による共同研究・委託研究支援事業補助金で採択を受けた「室内CO2濃度分布測定による換気システム設計手法の確立」の一環で、福島大学と福島機工の共同研究成果のひとつです。

実験には、CO2濃度・温度・相対湿度を測定することができる「CO2センサ」を用いました。
計28個の「CO2センサ」を用意し、講義室内や廊下、屋外の各測定場所に設置したポールに「CO2センサ」を取り付けて実測しました。

CO2センサをポールに取り付けて設置
「CO2センサ」をポールに取り付けてCO2濃度を実測

[実施日時]

実測日:2020年12月4日/2020年12月18日の2日間
時間帯:2時限目(10:15〜11:35)の講義時間帯
場所:M-23講義室・M-24講義室の2部屋(福島大学M棟2階)

M-23講義室・M-24講義室の2部屋(福島大学M棟2階)

[測定点]

場所 ポール設置場所 ポールに取り付けたCO2センサ
講義室 M-24 P1・P2・P3 各4個(床上0.5m/1.0m/1.5m/2.0m)
P4 各1個(床上1.5m)
講義室 M-23 P6・P7・P8 各4個(床上0.5m/1.0m/1.5m/2.0m)
P9 各1個(床上1.5m)
廊下 P5 各1個(床上1.5m)
屋外 P10 各1個(床上1.5m)

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[実測条件]窓の開け幅・開ける位置を変えて実測

集合窓位置 2020年12月4日 2020年12月18日
上段 中段 下段 上段 中段 下段
講義室 M-23 東側 250mm 0 0 50mm 0 0
南側 250mm 0 0 50mm 0 0
講義室 M-24 北側 0 0 250mm 0 0 50mm
西側 250mm 0 0 50mm 0 0

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[実験結果]窓の開け幅が少ないと、CO2濃度は高くなる

窓を大きく開けた時より、小さく開けた時の方がCO2濃度が高くなった

次の図は今回測定したうちの一例で、講義室M-24における時系列変化をグラフにしたものです。(測定点は、講義室M-24の中央部にあたるP2地点)
窓を大きく開けた12月4日では、いずれもCO2濃度は1,000ppmを下回っていました。
しかし窓を小さく開けた12月18日では、CO2濃度は1,000ppmを上回る値が大きく、CO2濃度が高くなることがわかります。

  • ■12月4日/
    窓を大きく開けて実測(開け幅250mm)

    12月4日/窓を大きく開けて実測(開け幅250mm)
  • ■12月18日/
    窓を小さく開けて実測(開け幅50mm)

    12月18日/窓を小さく開けて実測(開け幅50mm)

講義室M-23と講義室M-24における12月4日・12月18日の各地点CO2濃度の平均を見ても、やはり窓の開け幅が少ないと、CO2濃度は高くなりました。
これはつまり、不十分な換気では『建築物衛生法』や厚生労働省が指標としている目標を達成できないということになります。

  • 【講義室M-23】
    上段:12月4日/下段:12月18日

    【講義室M-23】上段:12月4日/下段:12月18日
  • 【講義室M-24】
    上段:12月4日/下段:12月18日

    【講義室M-24】上段:12月4日/下段:12月18日

今後の具体策/より効果的な換気を目指して

今回の共同研究を経て、福島大学では換気時の窓の開け方の指針になるように、今後もさらに解析と評価を行うことを予定しています。
福島機工としても、引き続き同研究に携わりつつ、エアコンを取り扱う会社として、より効果的な換気システムを積極的にお客様にご提案してまいります。
窓を開けることによる換気もひとつの方法ではありますが、窓の開閉が難しいオフィスや店舗においては、例えば換気扇の増設などの導入もコロナ対策として求められます。
冬場に使っても部屋が寒くならない全熱交換器という換気機器など、空間の居心地を損わずに換気量を増やす方法などもございますので、ぜひお気軽にご相談ください。

本共同研究は、福島大学様 プレスリリースもぜひご参照ください
https://www.fukushima-u.ac.jp/press/2021/03/009113.html  https://www.fukushima-u.ac.jp/press/Files/2021/03/147-4_1.pdf

今回の研究では、福島大学様のご協力もあり「公益社団法人 空気調和・衛生工学会 東北支部 第10回学術・技術報告会」において
学術・技術報告をする機会を得ることができました。
その際、弊社の阿部・福島大学の赤井仁志特任教授の発表後に、質疑応答がありました。
質疑応答では、つぎの先生方に有意義な質問やアドバイスをいただくことができました。感謝申し上げます。

吉野博様(東北大学名誉教授、元・日本建築学会会長)/須藤諭様(東北文化学園大学教授)/菅原正則様(宮城教育大学教授)